前田利長裁許状
古文書1604年(慶長9)10月24日付 前田利長裁許状(まえだとしながさいきょじょう)
加賀藩前田家2代の前田利長が海老江村甚九郎に宛てたものです。隠田があることを訴えられた射水郡海老江村、明神村(古明神)、新明神村で検地を行い、甚九郎に隠田分を与えること、また同人が海老江村、明神村の野銭(未開拓地にかかる税)の税額をせり上げる申し出があったので、その用益権を認可しています。(野上家文書)
【書き下し】
越中中郡海老江村ならびに明神村、又新明神村に出分これ有る由申し上げ候、検地を以て上げ申し付くべく候、いよいよ案内者仕るべく候、海老江村・明神村野銭弐貫の所、三貫に仕り上ぐべき候由、申し候、これまた聞届申し付くべく候、右年貢諸当滞り無きように裁許すべきものなり
慶長九年 十月廿四日 はひ(花押) 中郡ゑひへ村 甚九郎