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山雀

郷倉千靭

《山雀(やまがら)》 1930(昭和5)年制作/紙本着彩・二曲一双半屏風右隻/再興第17回日本美術院展

3枚で一組をなす屏風《鳥獣魚(山雀・野鼠[のねずみ]・鯉)》のうち向かって右端に位置するものです。ほとんど無地の背景にワタやトウガラシ、戯(たわむ)れる山雀、赤トンボがバランス良く配されています。ワタとトウガラシは鋭く重々しく浮き立ち、それだけに、山雀や赤トンボの穏やかな姿に一層心が安らぎます。作家が以前から追求していた独自の様式は影をひそめ、対象に忠実で細かな点に注意の行きわたった描写です。わが国で大正末期から昭和初期にかけて成熟した新古典主義の様式に基づくと思われます。

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