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聖なる子どもたちの舞(2)

加茂神社(射水市加茂中部)の「稚児舞」は、「鉾(ほこ)の舞」、「林歌(りんか)」、「小奈曾利(こなそり)」、「賀古(かこ)の舞」、「天(あま)の舞」、「胡蝶(こちょう)の舞」、「大奈曾利(おおなそり)」、「蛭子(えびす)の舞」、「陪臚(ばいろ)」の9曲です。

このうち、「鉾の舞」、「林歌」、「小奈曾利」、「天の舞」、「胡蝶の舞」、「大奈曾利」、「陪臚」は、奈良時代以来宮中や寺社で行われた舞楽を起源としています。雅楽に舞を付けて踊る芸能を舞楽(ぶがく)といい、子どもが舞楽を演じる場合は童舞(わらわまい)と呼びます。

富山県内の稚児舞で、童舞の流れを汲むものは加茂神社(射水市)、熊野神社(富山市婦中町)、法福寺(黒部市宇奈月町)、雄山神社前立社壇(立山町岩峅寺)の4か所で行われています。京都から伝えられた無形の文化が富山県に根付き、地元の事情に合わせて形を変えながら今に受け継がれています。

(学芸員 松山充宏)

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