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聖なる子どもたちの舞(1)

暑い夏から涼しい秋へ移り変わる8月末から、射水市内でも秋祭りが始まります。祭りに伴う行事の中には、無形民俗文化財として指定を受けたものも多くあります。

9月4日は加茂神社(射水市加茂中部)の秋祭りに合わせて「稚児舞」が行われます。

加茂神社には雅楽に由来するものを含む9曲の舞が伝えられ、地元の小学生から大稚児2人、小稚児2人が選ばれて演じます。

加茂神社の稚児舞には不思議な習わしがあります。稚児舞に先立って稚児は「練行(れんこう)」といって加茂地区を巡ります。このとき、稚児は大人の男性の肩車で移動し、地面に足を着けません。稚児舞の奉納中も、稚児が休憩所や舞台へ移動する際は肩車で移動します。

稚児が地面を歩かないというならわしは、稚児は稚児舞を演じる間は神に近い存在、または神のお使いという立場とされていたことを示しています。(学芸員 松山充宏)

射水市新湊博物館ロゴマーク