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豊作を祈る賀茂信仰

田植え(左:令和5年 右:平成24年)

「大男」の投与(令和5年)

当館では、1年365日に「十二支」をあてはめたカレンダーを年末に必ず用意します。その理由は、十二支の4番目である「卯」の日に行われる祭礼があるためです。

加茂神社(射水市加茂中部)の御田植祭は、毎年6月の初卯(最初の卯の日)に行われます。御田植祭では、水辺に生えるマコモを材料として、約60センチメートルの「大男」と呼ばれる人形を2体作ります。ご神体のご幣を境内に移し、その前を水田に見立てて氏子が土をならし、神職が田植えの様子を再現します。令和5年(2023)は雨のため、数十年ぶりに拝殿内の板床を田に見立てて行いました。田植えを終えた神職は、ご神体の方を向いたまま、後へ大男を投げます。参列者は、幸福をもたらすという大男を取り合います。また参列者は大男を小ぶりにした「マコモの神様」を作り、祭礼後にそれぞれいただいて帰ります。(学芸員 松山充宏)

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