1. ホーム
  2. 収蔵資料
  3. 見つめる

見つめる

高越甚

《見つめる》 2005(平成17)年/紙本着彩・額装/179.5cm×234.9cm/第37回日展(審査員出品)/射水市蔵

亜熱帯の離島、繁みの中に一頭の野生の仔(こ)牛が立ち止まり、こちらを見つめています。作家と突然出会ったとのことですが、驚いた様子は見せていません。身体には、背景の草や木の葉の色が混じっているように見え、超能力を発揮して瞬間移動(テレポーテーション)してきたばかりのような面白みを感じさせるとともに、作家の驚きを暗示しているかのようです。草木のまばゆい色彩は、作家の「心の色」で、独自の着彩法によるものと言います。描かれた光景に物語性や、演劇の舞台を思わせるような効果を与えています。

射水市新湊博物館ロゴマーク