《放生津潟海竜湖八景》悟雪洞大機(ごせつどう だいき)作 1863~1952年
本作品は、天平時代の越中国司・大伴家持により「奈呉の江」と詠(よ)まれた放生津潟(現 富山新港)が題材で、「海竜湖」はその別名です。作家は、現在の大阪市に生まれました。四条派や狩野派で学んだ後、全国各地を巡り、風景画を中心に数多くの優品を残しました。本作は、大正2年、現在の射水市中新湊にある曹洞宗長朔寺(ちょうさくじ)に滞在し、描きました。潟とその周辺の風景を高所から見渡すように捉え、「八景」と呼ぶにふさわしい見所を効果的に配しています。失われた潟の風景を後世に伝える貴重な記録画の一つです。