絵図(広域地図) 天文
天文星象平円図
石黒信由は若いころから天文暦学に関心を抱いていました。この星図は、幕府天文方の渋川春海(はるみ)の長男昔尹(ひさただ)が元禄12年(1699)に出版した「天文成象(せいしょう)」をもとに書き写したものです。中央の北極星を「測量星」と記すのは他に例がなく、信由独自の発想と推定されています。江戸時代の星座は主に中国を起源とするものでしたが、明治政府の主導により西洋の星座を使うように変更され現在にいたっています。国指定重要文化財。77.6×74.7cm。