新川郡室山野小椿野分間絵図御用覚帳
表紙 文化十二年乙亥七月
新川郡
室山野
小椿野 分間絵図御用覚帳
石黒藤右衛門
1 室山野、小椿野分間
絵図方御用之覚
一、七月廿五日 雨
昨廿四日新川郡小林村宗兵衛殿
ゟ飛脚書状ニ而呼ニ参り
申候ニ付、右飛脚之者自宅ニ
泊メ、廿五日早朝宅出立、
七つ時頃室山野御小屋へ
着、泊り、
一、同廿六日 天気
2 用水野へ入口壱番杭ゟ
野ノ内道筋分間、但し
昼前ハ分間之分等、主付人
ゟ聞合、昼後大浦村伊右衛門、
主付人ノ内又三郎磁石ヲ見
申候、外ニ人足六人、
一、同廿七日 天気
野ノ内室山村古田分間
仕候、
一、同廿八日 同
野ノ内大浦村領新開高、
上野与唱申場所分間、
一、同廿九日 同
野ノ内室山村、大浦村、
東福寺村野境筋
分間、
一、八月朔日 雨
小椿野分間ニ罷出申候、
尤朝過主付沼保村幸右衛門殿、
神田村小左衛門殿旅宿、大浦村
徳兵衛方立寄、野境等之
義御相談御座候而、夫ゟ
3 升方村へ罷出、小椿野一番
杭ゟ四拾番杭迄、昼前迄
分間仕候処、境筋之義ニ付
相談有之ニ付休、明二日幸右衛門殿、
金山谷村文右衛門方御出被成、
境筋相談相済申候、
相見 神田村小右衛門殿
下役人 滑川太郎右衛門
外ニ村々役人
人足六人
右分間之間、
一、同二日 曇天
四十五番ゟ百拾四番迄
分間、
一、同三日 大雨洪水
朝金山谷旅宿ゟ升方村
領迄罷越候所、大雨ニ而分
間相成不申候ニ付罷帰候所、
門川洪水ニ而金山谷村へ
引事相成不申ニ付、升方村ニ
泊り申候、
一、同四日 天気
藤右衛門義夜中頃ゟ喰滞之
気ニ相滞、升方村文右衛門方ニ
止宿、伊右衛門等罷出、升方村
ノ上分間仕候、
4 一、八月五日 雨
藤右衛門昼前ハ文右衛門方ニ休
居申候、伊右衛門等ハ昼前
升方村ノ南分間いたし候、
昼後藤右衛門等千歩ケ原
ヘノ用水江筋分間仕候、
金山谷村ニ泊り、
神田村小右衛門殿五日昼ゟ
帰宅被成候、
一、同六日 雨
此日大雨ニ付、昼前藤右衛門
小椿野下絵図引懸り申候、
昼後雨晴申ニ付、千歩ケ
原分間ニ罷出相済申候、
一、同七日 天気
藤右衛門下絵図相調申候、
伊右衛門、太郎右衛門莎ケ沢分
間昼前相済、昼後伊右衛門
右下絵図相調申候所、絵図
合不申ニ付絵図見直しニ罷出候、
一、同八日 同
藤右衛門下絵図相調申候、
伊右衛門莎ケ沢見過ニ付、
又見直しニ罷出候、
5 一、同九日 天気
上絵図弐枚墨引彩色
相済、
一、同十日 同
右上絵図書入等相済、
一、同十一日 小雨
朝飯後、金山谷村文右衛門方
出立、大浦村徳兵衛方罷越、
小椿野絵図弐枚沼保村
幸右衛門殿へ上ケ申候、夫ゟ
室山野御小屋へ罷越、
昼後ゟ室山野下絵図
調懸申候、
一、同十二日 同
藤右衛門下絵図相調申候、
伊右衛門大浦、室山野廻り
端等境分間、但小林御手代
文三郎境杭打被申候
一、同十三日 七つ過ゟ雨
藤右衛門下絵図相調申候、
伊右衛門義大浦、室山野
境見直し申候、
一、同十四日 雨風
野境不相分場所有之
6 ニ付、八田村作之丞殿、粟嶋
村藤五郎殿伜并藤右衛門、
伊右衛門、下役栃山村孫右衛門、
手屋(タヤ)村又三郎同道ニ而
境目相見分仕候、右不分
明之所小林村宗兵衛殿方へ
内分紙面被遣候、
一、十五日 天気
大浦村、室山村右不相分
所、境目埒明申ニ付、小林
御手代文三郎被罷出相
見を以昼後分間いたし
申候、
一、同十六日 同
昼前室山村領境百十番
杭ゟ百廿四番杭迄分間、
昼後下絵図相調申候、
伊右衛門昼後室山村飛
地囲ノ田分間ニ罷出候、
一、同十七日 南風吹
藤右衛門義室山野下絵
図相調済申候、伊右衛門ハ
昨日囲ノ田分間不相当
事有之ニ付、昼前囲ノ田
分間仕直しニ罷出候、
昼後右下墨引絵図
いたし候、
7 一、同十八日 西風雨
御改作所上絵図壱枚相調、
一、同十九日 雨
野方主附中控絵図
壱枚相調申候、八田村
作之丞殿へ上ケ申候、
一、同廿日 北風雨烈し
室山野早朝出立、七つ時
過帰着仕候、尤人足壱人
荷物召連、宿ニ泊り
翌廿一日相返ス、
十九日ニ宅ゟ御役御用之御紙面
飛脚助三郎室山野へ
罷越ニ付、室山野御小屋ニ而
泊り、廿日同道ニ罷帰申候、
大浦村伊右衛門同道ニ而罷越候
所、東岩瀬ゟ富山之方へ
相廻申ニ付、此元義ハ東岩瀬
境渡し舟ニ而堀岡通り
罷帰申候、
〆弐拾五日
内
十三日 室山野
十日 小椿野
弐ケ日 道中
8 絵図并番杭帳上ル覚
小椿野
一、壱枚 絵図 御改作所
一、壱枚 同 主附控
一、壱冊 右番杭帳
御改作所
一、壱冊 同 主附控
〆
右沼保村幸右衛門殿へ
上ケ申候、八月十一日ニ上ル、
但、帳面ハ滑川岡本屋
太郎右衛門相調申候、鼠雌黄
百五十文村方ゟ取、外絵具ハ藤右衛門
出申候、
小椿野入合村々左之通
高 小林宗三郎組
一、三拾六石 升方(マスガタ)村
免三つ六歩 寄肝煎
浅生村清兵衛
高 同
一、百七拾四石 早(ハヤ)月(ツキ)上(ウワ)野(ノ)村
免五つ 肝煎久五郎
高 同
一、七百六拾七石 吉(ヨシ)野(ノ)村
免五つ五歩 肝煎半兵衛
高 同
一、七拾八石 川(カワ)縁(フチ)新(シン)村
免三つ六歩 肝煎市右衛門
高 同
一、三拾七石 早(ハヤ)月(ツキ)川原(カワラ)村
免四つ七歩 肝煎七郎右衛門
9 高 同 画像 翻刻トップ 画面トップ
一、百五拾六石 浅生(アソウ)村
免五つ九歩 肝煎清兵衛
高 沼保村幸右衛門組
一、弐百弐拾六石五斗 金(カナ)山谷(ヤマタニ)村
免五つ五歩 肝煎文右衛門
〆 七ケ村
右野境領付村々
高
一、百三拾九石弐斗 有(アリ)山(ヤマ)村
免三つ 寄肝煎
浅生村清兵衛
高
一、百五拾七石 升(マス)田(ダ)村
免五つ 肝煎忠左衛門
〆 画像 翻刻トップ 画面トップ
小椿野主附
新川郡御扶持人
沼保村幸右衛門
同 山廻り神田村小左衛門
下役人
滑川岡本や
太郎右衛門
10 室山野絵図并番杭帳上ル覚
一、壱枚 絵図 御改所へ上ル
一、壱枚 同 主附方控
一、壱冊 番杭帳 御改所へ上ル
一、壱冊 同 主附方控
〆右八月十九日、八田村作之丞殿へ
相渡申候、
但、野帳面ハ下役手屋村又三郎
為相調申候、絵具ハ藤右衛門ゟ
出申候、
室山野領付村々
高 小林村宗三郎組
一、五拾四石 室山(ムロヤマ)村
免四つ九歩 寄肝煎
森野村宗右衛門
組合頭平兵衛
高 同組
一、四百四拾四石 大浦村
免五つ四歩 肝煎助七郎
高
一、弐百四拾壱石 東福寺村
免三つ七歩 肝煎理右衛門
〆三ケ村
11 室山野主附
新川郡新田才許人
粟嶋村藤五郎
同
小林村宗兵衛
河北郡新田才許人
八田村作之丞
下役人
新川郡
石割組手屋村
又三郎
石仏組栃山村
孫右衛門
小林組安田村
彦右衛門
石川郡辰巳村
市郎右衛門
〆
小林村宗三郎手代
黒川村次兵衛
八田村作之丞手代
今石動町
喜右衛門
〆右人々諸事之世話
いたし申候、