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絵図(広域地図) 富山県・石川県

御内御用方道程調理方金沢出府御用日記帳

表紙 文政三年辰二月   
 御内御用方
 道程調理方金沢出府御用日記帳
         高木村藤右衛門
 
 絵具相求申事   
 真書筆買申事
 
一、二月十七日  天気   
   宅六つ前出立、夕合金沢      
   旅宿和泉屋順平方着
 
一、同十八日  雨降
   四つ半時頃御改作所へ着
   御案内申上候、并定検地所へ
   御見舞申上候、
   中川、宮森、下村、串田旅宿、
   番代小右衛門方へ見舞、夫ゟ
   御改作所へ罷出申候、
   御用番金谷様、富永様
   御宅へ見舞申候、
   小堀様、渡辺様御屋敷へ御見
   舞申上候、
   七つ半時頃ゟ田辺様へ罷出
   六つ過罷帰申候、
        
一、同十九日  雨降   
   早朝金谷様御宅ニ罷出、
   道程しらへ方御入用銀之義御
   内分願上申候所、御次へ申上候
   中勘御貸被下候様被仰候、
   尤弐貫目程中勘借請申度
   旨申上候、
   朝飯後田中、埴生、大瀧、
   大西へ上下ニ而祝儀之挨
   拶ニ旅宿罷出候、
   白江様へ御忌中之為、
   挨拶与して羽織袴ニ而
   御見舞ニ罷出候、
   七つ半時過ゟ遠藤様へ   
   罷上リ申候、尤磁石かん
   とう台上ケ申候、夜四つ
   時頃迄咄罷帰申候、
 
一、同廿日  天気
   早朝田辺様へ罷上リ申候、
   絵図等懸御目申候、扨口郡
   邑知潟金納等之義算法
   立方御咄御座候、
   四つ半時頃ゟ御改作所へ
   罷出申候、地割紙上ケ申候、
   九つ半時頃御役所ゟ
   帰リ申候、
   日下、今村、宮川三軒へ
   見舞ニ罷上リ申候、  
 
一、同廿一日  朝夕雨
   中川等仲見舞、夫ゟ日下
   氏へ行咄候、昼後鍋屋、折橋、
   塩屋等へ見舞、夕方より
   遠藤様へ咄しニ罷出候、夜
   四つ過帰リ申候
 
一、同廿二日  朝過ゟ天気
   四つ時頃ゟ御役所へ罷出候処、
   道程しらへ御入用銀弐貫目
   御渡ニ付請取書上ケ申候、
   依而御暇乞申上候、
   定検地所ゟ御召ニ付罷出候
   所、新川郡御検地所へ磁石
   仕抹いたし箱へ入申様
   被仰候ニ付、夫々しまつ    
   いたし上リ申候、依而御暇乞
   申上候、
   御郡所渡辺様へ御暇申上候、
   渡辺様、小堀様御屋敷へ
   罷出名札ヲ上ケ御見舞申上候、
   白江様御吉事之御祝義ニ
   名札上ケ申候、尤上下ニ而罷出候、
     覚
一、弐貫目  文丁銀
 右諸郡道程しらへ方諸入用為
 中勘、右銀高御渡被下請取申候、已上、
  文政三年二月廿二日 高木村 藤右衛門 印判
 御改作
  御奉行所
        
一、同廿三日  天気  
   金谷様御屋敷へ御暇乞ニ罷出
   候所、八線表弐冊御かし渡し
   請取申候、
   朝五つ時頃田辺様へ罷出
   上ケ置申絵図等御渡御座候、
   加州三郡絵図之義ハ番代
   方へ跡ゟ御出御座候様被仰聞候、
   八つ時頃金沢出立、
    津幡河合屋理右衛門方泊リ、

一、同廿四日 朝前雨少し
   津幡出立、七つ半時頃帰宅仕候、
   吉兵衛宅へ罷帰申候、
  〆
 
      出府ニ付入用    
二月十七日
一、五文     今石動茶や
一、三百五拾文  石動ゟ津幡かこ
一、拾五文    右酒代
一、七拾文    石動ゟ竹橋人足、酒代
一、廿三文    竹橋ゟ津幡迄同断
一、六文     わらし壱足
一、拾文     津幡問屋茶屋
一、五文     柳橋茶ヤ
一、拾弐文    ひんつけ弐つ
一、八文     より
一、三文     はんけの末
 同十八日    
一、三拾五文   扇子壱本
一、百八拾文   胡麻弐升
一、七百八拾文  鷹壱羽
一、拾四文    わらんし弐足
一、拾三文    ろうそく壱丁
 同廿三日
一、弐百七拾四文 印判屋細字左平
一、弐百拾五文  髪附三十五
一、十六文    より弐わ
一、壱貫文    墨屋次助
一、弐百八拾文  尾張町古梅□草紙
一、六拾五文   ござ壱枚    
一、九百廿文   紙屋久兵衛
一、七文     わらし壱足
 〆四貫三百六文
一、三貫文    和泉屋順平方
 但、二月十七日ゟ廿二日晩迄六泊リ
 宿料
一、五百文    茶代
一、百文     下女
一、五文     今町村茶や
 同廿四日
一、五百文    津幡河合屋
         理右衛門宿料
一、三百三拾文  かこ賃
一、廿五文    竹橋迄人足賃    
一、六拾四文   今石動迄人足賃
一、五拾文    くりから茶、年頭
一、十五文    同 茶代
一、六文     わらし壱足
一、拾文     今石動茶代
一、四拾四文   ろうそく
一、百文     舟賃
 惣〆九貫五拾五文
    比内壱貫文 出銭
      七貫九百九十三文 銀七拾弐匁也
      六拾文 中川忠右衛門へ藤助渡
      〆
  右之内
   弐百七拾四文 肉代等細字左平    
   六百四文   上中折弐束
   三百文    天具定百枚
   六匁八厘   雌黄目形弐匁七分
   壱匁弐分五厘 白墨四丁
   六分三厘   焼ミやうはん十匁
   弐匁八分   筆七本、但真書筆
   百六文    より髪附代
  引残而〆弐貫三百九十六文
   六貫六百五拾九文 自分入用
   〆
 
    覚    
一、六百目    道程しらへ御入用銀弐貫目
         之内
一、四拾五匁   遠藤様ゟかんとう磁石
             台代
 〆六百四拾五匁
  内弐分    目切候四十五匁ノ内
   五百七拾弐匁  金拾両
   七拾弐匁八分  請取
   代七貫九百九十三文   さし一〇九八
   〆辰二月廿三日