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絵図(広域地図) 測量

軸心磁石盤 360度目盛 磁石1個

測量器具 軸心磁石盤 360度目盛 磁石1個

 測点間の方位のみならず遠方の方位をいかに正確に測るかによって、絵図全体の精度が大きく異なります。石黒信由は、測量器具の中でも磁石類を最も重要と考え、その工夫改良に最大の精力を傾けました。磁石盤の目盛は当時120度あるいは240度が一般的でしたが、360度に切り替えました。この変更は画期的で、方位を細かく読み取ることができるとともに、西洋数学の三角関数を直接利用できるようになりました。

 さらに磁針を長く、黄銅製の目盛盤も大きくして方位の読み取りの精度を高め、さらに持ち手の付いた盆のような独特な形のものに改良しました。この両側面の中央に幅3厘(1㎜)ほどの縦のすき間を開けて目標物を見通しましたが、見やすいように位置を高くしてあります。また、真上から磁針を確認したり目盛を読み取ったりできるよう、持ち手の上部にもすき間が開けられています。

 元富山大学教授鳥取孝太郎のコレクションです。奥行26㎝、幅37㎝、高さ20㎝。