絵図(広域地図) 測量
強盗式磁石台
測量器具 強盗式磁石台
石黒信由は、台からおもりを付けた糸を垂らして台の水平を調整する磁石台を用いていました。しかし、石の道や川原など凹凸の多い場所では、足を地中に固定して台の水平を保つことは容易ではありませんでした。
この問題点を解決するため、文政2年(1819)ごろ独自に考案したのが強盗仕掛けのこの磁石台です。台自体が傾いていても、磁石盤を乗せる円形の台は、いつも水平を保つよう工夫が凝らされています。
享和3年(1803)信由は伊能忠敬の測量を見学し、彎窠羅鍼(わんからしん)と呼ばれる強盗式の小型の磁石に注目しました。信由が考案した磁石盤では、盤自体を強盗式にすることはできなかったので、磁石台に強盗構造を取り入れることで、常に磁石盤の水平が保てるよう工夫改良しました。信由著『測量法実用』に図解されています。
これは信由門人で射水郡南高木村津田十三郎の旧蔵品です。奥行・幅ともに32㎝、高さ68㎝。