絵図(広域地図) 測量
軸心磁石盤 120度目盛
測量器具 軸心磁石盤120度
測点間及び目印となる遠くの山等ヘの方位を測る器具です。元富山大学教授鳥取孝太郎のコレクションで、磁石台・地割紙・間縄の篗(わく)等とともに携帯用の箱のなかに収納されています。箱の底裏に「磁石并台 料銀一枚七両 文化十一年戌初夏求之 作者高陵住人錺屋清六」とあり、文化11年(1814)4月に高岡御馬出町の細工人、錺屋(かざりや)清六が作製したことがわかります。清六は信由考案の磁石盤や磁石台、コンパス、曲尺など精巧な測量・製図器具の製作者です。さらに、地割紙の箱書から信由門人で砺波郡戸出町の菊池橘五郎與之が所蔵していたこともわかります。
この磁石盤の目盛は十二支を10等分した120度で、さらに1度を半分に分割しています。信由は寛政7年(1795)から享和2年(1802)までこの120度目盛の磁石盤のみを使っていますが、同3年から240度目盛、文化8年(1811)から360度目盛のものを本格的に使い始めました。それでも120度目盛のものも併用しており、孫信之も嘉永4年(1851)まで用いています。
この磁石盤は目標物を見通す視準を回転させるのではなく、目盛盤を回転させる様式となっています。磁針と目盛の南北を合わせて、目標物への方位を読み取ります。信由著『測遠用器之巻』に図解されています。
奥行25.4㎝、幅15.2㎝、高さ5.0㎝、目盛盤の直径15.1㎝。